ウェブサイトの横幅
ウェブサイトの横幅ついては過去に「固定派」「リキッド派」により幾度となく繰り返され、おそらく未だ「どちらが適当か」という結論には至っていない。ちなみに俺は元リキッド派で現在は丁度その中間とも言える「max-width派」なんだが固定派の言い分もよくわかる。例えば次の「固定派」の意見。
現実問題として、「多くの閲覧者が特に設定などをしないで見たときに、サイト公開側の意図に沿ったウェブデザインで見せたい」という要請は多いし、またその要請をかなえてこそウェブデザイナーと言えると思う。見せる側の意図を完全に排除し、閲覧者の自由度のみを主張するのは極めて偏った見方だと思うし、また現実問題として、ウェブブラウザーの操作において文字サイズ等を自在に設定できるユーザーは案外少ないものである(こんなページを見ている人なら当然できるような操作でも、ネットやパソコンになじんでいない一般の人たちには極めて高度な作業となることは、よくよく認識すべきである。そして、その教育を啓蒙する努力はあってよいが、多くの人に啓蒙できるという期待を持つべきではないと実情を見て思う)。
どうにも、彼らは理想を追い求めすぎているように思う。
デザインの理想を追い求めるのは良いが、それはただの理想であって現実にそのようなレイアウトを採用するのは無理だ。
現実的な問題から固定幅を採用しているサイトを非難するのもおかしいだろう。
要約すると“理想と現実は違うんじゃい”と。1年近く前のリソースだが現在も固定幅大挙の状況を見れば確かにその通りだったのだろう。一方、リキッド派は、
結局のところどうするべきなのだろうか? ブラウザの大きさを最大にしても小さめにしてもそれなりに見えるデザイン=リキッドデザインにするのがベストだ。お手本はもちろんアマゾン。このリキッドデザインは、「見る画面」だけでなく、「印刷できる画面」をつくることができる。ちなみに上で紹介した公文式 のページのいくつかは、A4に印刷すると端っこが切れて見えない。 これも固定幅デザインの弊害のひとつである。
私は固定幅デザインを絶対にウェブデザインとは認めない。だって、様々な媒体を選択可能なウェブの特性とは何の関係もないもの。そういった無数の固定幅デザインを各媒体向けにサーブする技術の一部としてありかもしれないけれども、それ単体をウェブデザインと思い込んでいるのは大間違いだ。特に日本ではウェブユーザビリティの専門家を名乗る連中がこれをやらかし始めている。リキッドレイアウト、及びウェブデザインというものの本質を最初から理解していなかった証拠だ。彼らが一時的にリキッドレイアウトを採用したのは、単にそのころ800×600px程度の低解像度モニタの利用者が、1024×768pxと同程度に存在した為、両者の都合に合わせてみたからに過ぎない。つまり彼らは、ウェブデザインをやっていたのではなくて、800×600pxと1024×768pxの二つにマッチさせようとしていただけなのだ。だから今になって800×600pxの解像度がマイナーになって一つの解像度に分布が集中するやいなや、笑止、態度を豹変させて待ってましたとばかり安易な固定幅デザインに移行したというわけだ。
こちらも間違ってない。世の中に幅固定サイトが増殖している中でリキッド派が絶滅しないのもその本質の正当性があるからだ。パッと見で受ける印象としては「固定派=リア充」「リキッド派=ヲタ」なんだがこれはまあどうでもいい。
極端に言えば、固定派はブラウザ全画面時のリキッドレイアウトの読み難さを指摘し、リキッド派はブラウザ縮小時の幅固定レイアウトの弊害を指摘している。
これらの内容が仮に同一リソースの元でCSSの記述の違いを論じているのだと考えれば、これはもう文化の違いとしか言いようがない。同じ飯を箸で食べるか、手で食べるかどっちが正しいかというレベル。どちらがなんて比較そのものに意味が無いし、そもそも答えも無い。
そうでなくともこんな話題に興味を持つのはオレかお前らかしかいないのだし、普通の方はそんな思想には目もくれず自分に必要な情報を収集する為に使っていらっしゃるのだ。オレらにしたって何だかんだ言いながらも興味のある記事やサイトなら、横に間延びするサイトであれば瞬時にブラウザの横幅を狭めて自分に最適な状態にするし、横スクロールが出れば瞬時に最大化したりするだろう? しないの? するでしょ。できるでしょ。そのほんの一瞬の行為が嫌で嫌で仕方ない気持ち悪い! なんて人はほとんどいないでしょう。多分、みんな口では文句を言いつつも無意識に対処できてるんだ。
だからこんなものはウェブブラウザがやってくれればいいんだよ。そこでオレが空想するのは以下のようなことができるものだ。
- 右クリックなどコンテキストメニューから
- ページカスタマイズモード or サイトカスタマイズモード
- どちらか選択すると画面が半調化されレイアウトを構成しているブロック要素の枠が表示
- ユーザーはその枠をドラッグして伸び縮みさせたりリキッド化したり固定化したり数値入力したり位置を入れ替えたり削除したりでき、
- その効果期間は自由に設定できるし、ボタン一つで元の状態に戻したり戻さなかったりできる
- またその設定は他のユーザと共有が可能で多くの共有がある程ランキング上位になる
- 右クリックなどコンテキストメニューから
- このサイトのカスタマイズを検索
- ◯◯件ありました
と。
まあユーザースタイルを知識がなくともダイレクトに作っちゃえ、というものなのだけれど。例えば、今fc2の投稿フォームから書いてるんだが横幅がもっと欲しいので、ページカスタマイズモードで「ビャッ」と横に伸ばせば今後はずっとそうなってますという。
多分、近いものはプラグインだかアドオンだとかを作ってる人がいるかもしれないけど。そうなれば意味のないバナー広告といったビジネスモデルは破綻するかもな。
プログラムやスクリプトはもちろん、HTMLもCSSも知らないようなユーザーにそれを感じさせずに使わせる仕組みというのは今後もっともっと増えていくと思う。なので、広告を出す側は「display:none !important」に対する恐怖をもっと抱くべきだろう、わらい。
追記。“横に間延びするサイトであれば瞬時にブラウザの横幅を狭めて自分に最適な状態にするし”という点についてだがオレは1点だけブラウザの実装に不満がある。知る限りではOperaとChromeが該当するんだが、ウインドウの右下を御覧ください。無いんだなこういうのが→///。可変カーソルの当たり判定がシビア過ぎる。右下の数ピクセル程度しかないじゃないか。XP以外のOSは違うのかもしれないが、どちらにせよ世界一の普及率を誇るOSの基本特性すら実装できないようじゃまだまだ詰めが甘いとしか言いようがないよ。
という愚痴。
(2010-10/05 22:32)
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- 0:おとやん
- メッセージをどうぞ。
- 11:Opera-er 2010年10月07日 10:19
- 確かに///無いけど、数ピクセルってことはないですよ。
縦横30ピクセルくらいはありますね。 - 12:おとやん 2010年10月07日 13:06
- Opera-erさん
次のURLはオレの環境のOperaをキャプチャした画像なんですけど、右下にポインタを乗せた時に可変ポインタに変わる位置――本文で言うところの当たり判定部分――に色を付けてみました。
http://blog-imgs-46.fc2.com/o/t/o/otoyanblog/111.png
仰る通り縦横におよそ25px前後の当たり判定は確認できますが、ご覧の通り「表示倍率」なんてボタンが割り込んで逆L字型になっています。電流イライラ棒はご存知でしょうか、丁度あれと同じような感じです。実質数px(最大でも7px)程度というのはこのことなんですね。 - 14:Opera-er 2010年10月12日 19:34
- ははぁ。なるほど。そこは納得しました。
本質的な対策じゃありませんが、その「表示倍率」ボタン自体なくしちゃってもいいかもしれませんね。拡大率の変更を頻繁にするならともかく。
- 17:おとやん 2010年10月12日 20:45
- Opera-erさん
消せるんですね、コレ。確かに表示倍率はキーボードでやることが多いので消したほうがまだマシなようです。多分、多くの人はそんなにウインドウ枠を触りまくったりしないのでそれほど話題にもならんのでしょう。と云うよりもあらゆるサイトに対して常に意味も無くウインドウサイズを伸縮しながら閲覧を行う自分の性癖にこそ問題があるような気もしてきました。 - 18:辻斬り 2010年10月20日 14:47
- 興味深かったです。今現在リキッドにするべきか、固定にするべきか考えてデザインをしているところでした。
ユーザーの利用環境がブックマークを出しているのか、全画面なのか。
それぞれの解像度、ディスプレイサイズあらゆる可能性を判断して最小値を決定したところで
結局数%のユーザーからは不満に思われてしまう、出来ればすべてのユーザーに使いやすいように設計したいところですが非常に難しいですね。
私はユーザーに何もさせないで最も快適な環境を提供できればそれが一番いいという馬鹿みたいな理想を抱いています。
webはとっても難しいです。
通りがかりの独り言です。失礼しました。 - 19:おとやん 2010年10月20日 22:35
- 辻斬り さん
全てのユーザに最適な環境――確かに理想ですが、仰る通りそうれを追求しようと策を寝る程に数%のユーザー層というのがより浮き彫りになるのはその通りでしょうね。しかし思うんですよ、理想とは裏腹に最適な環境を感じさせるサイトなどと云うものは存在しないのではないだろうか、と。少なくとも自分がそのようなサイトに遭遇して最適だと感じた経験なんてありません。何かしら不満は出るものでしょう。不満と呼ぶにはあまりに些細な問題なものも含めて。何を持って「最適」とするのかも作り手が定義できるものでもないですし、結局は最適か否かはこの際置いておき、特に何の問題もないという程度のものを公開すればいい、というのが自論です。何もしないのが一番いい。伝えたい内容さえ伝わればいい。自論のうえ極論ではありますけど。まあ、ウェブを取り巻く環境も、ユーザーの質も進化しています。一昔前のように特定UAでしか閲覧不能だったり文字化けしてたりという残念な気持ちになるサイトもここ数年出会っていません。(たまたまかもしれませんが)それだけ作り手の負担も減っているとは思います。(にもかかわらずCSSハックなどと称して自ら首を締めるようなことをやってる方もいるようですが。)
まあ、無駄に気張らずとも当たり前のことを当たり前にやれば、99%の人に100%の環境を出来ずとも、100%の人に70%の環境は提供できると思います。オレはそれで充分なんじゃないかなーなんて軽く考えているんですよね。この辺の考え方は人それぞれ・多種多様でしょうけれど、己の理想に少しずつでも近づける美学の追求はあって然るべきでしょうね。
otoyanblog@gmail.com
Update:2010 - 10/05
Category:Web design